【火の鳥】 ロゼ■それはあの大火から生まれた不死鳥。

ナパ最先端を行く鬼才がオーパスも求めた果実をロゼに仕立てる【Hi No Tori Cabernet Sauvignon Rose Napa Valley 2017】 ≪ 年産7200本=600ケース ≫ △大反響御礼!お蔭様で楽天登録「全世界」のロゼ(総計3,505本)総合部門で【第一位】に選ばれました!(※2018年6月8日(金)更新分) ◎上質ナパ産フルーツを辣腕醸造家が手掛けて…この価格? 2018年4月某日。

懇意にさせて頂いているインポーターW社の担当さんが、一本のサンプルを手に来店。

今日は何を?と尋ねますと、「3500円のナパ・カベです」とのこと。

この頃はといえば、ようやく 『ナパハイランズ』 の喧騒が落ち着いたあたり。

弊社としましても 『アンダー\5,000-ナパ特集』 のページが完成し、相変わらず 『スターリング』 も大人気。

また 『サン・クレメント』 のお別れセールが好評博す一方で 『ウォーターストーン』 も復活。

更には嘗て無い破格の2000円台ナパ、『ストーンヘッジ・アーティザナル・ブレンド』 というヴァリュー系決定版とも言える名品との出会いもあり、この手のナパ・カベはひと段落…正直申し上げれば「オナカイッパイ」状態でした。

しかし輸入元担当氏がバッグから取り出したボトルの、そのピンク・カラーとホワイト・ラベルの美しさに一瞬はっとさせられます。

そう、ナパ・カベはナパ・カベでも、そのワインは "ロゼ" でした。

そのまま何も伺わず口に含めば、澄んだ湖の底を覗くように限りない透明感。

その奥、その深くから湧き出る高貴さを称えた多彩な旨味。

滅多に巡り合わない、琴線に触れる美しき味わいがそこにありました…その誕生の裏にある激しさとは、到底釣り合わないほどの。

◎ヒノトリ…それはあの大火から生まれたロゼ。

2017年10月、現地時間8日の深夜に発生した、ナパとソノマを巻き込んだ大規模な山火事。

およそ20日後に鎮火を迎えるも、東京23区と同じほどの土地が焼ける…という過去最大規模の被害により、数字や物など、目に見える以上のものが失われたことは想像に難くありません。

しかし一方で、ここから生まれたものもありました。

その一つがこの 『ヒノトリ』 です。

サイバー・セキュリティの大手として知られるトレンド・マイクロ社。

しかしそのCEOであるエヴァ・チェン女史が情熱を持っていたのは、守ることよりも、楽しむことだった…といいます。

彼女は長男のピーターと、その婚約者であった久保朱純(あずみ)さんとともに、カリストガで挙げられたいとこの結婚式に出席した際、売りに出されていた 『メドウブルック・ファームズ』 と出会い、一目で気に入りこのプロパティを購入しました。

実はエヴァ女史が「恋に落ちた」と語るその対象は、畑ではなく美しい英国風エステートでしたが、そこには17エーカーほどのカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられていました。

そして前オーナー時代から続く収穫は、この年もいつもと変わらず行われる予定でした。

しかしそのタイミングで発生したのが先の大規模火災。

幸い畑は無事であったものの、果実の買い手となるはずであった先も、受け入れができるか判らない状況。

ならば自らのこの果実を用いてワイン造りを行ってしまおう…と立ち上げられた独自レーベルが、カンパイ・ワインズです。

▼カンパイ・ワインズ(Kanpai Wines) チェン家が購入する以前の名称、メドウブルック・ファームズ。

その17エーカーほどの畑で育まれるカベルネ・ソーヴィニヨンを買っていた先がどこかといえば、それは皆様も良くご存知のワイナリー。

なんと 『オーパス・ワン』 に 『ロバート・モンダヴィ』。

前者が以前の、後者が直近の購入者である…と聞いて、そんなにクオリティ高き畑なの!?と驚かれるかもしれません。

実はこの畑には10年以上も係わる辣腕ヴィンヤード・コンサルタントの存在があります。

それがスティーヴ・マサイアソン(Steve Matthiasson)その人。

かつてのデヴィッド・エイブリューのクライアントを次々と引き寄せ、ナパ・ワインが美しきバランスを求めはじめた流れと共にその活躍の場を広げてきた、まさに栽培界の世代交代を担う旗手とも言える人物です。

収穫時期を通常より3〜4週間も早めることを好み、業界からは当初驚きの目を向けられるも、アイズリー、シャペレー、スポッツウッドと、彼を選んだワイナリーがことごとく【RP100点】獲得を果たすのを目の当たりにし、もはやそれを「異端」、或いは「偶然」と思う者は誰もいなくなりました。

自身で醸造を手掛ける 『マサイアソン・ファミリー・ヴィンヤード』 も運営し、こちらもファイン・レストンランから引く手数多の状態。

W&S誌における米国産白の歴代1位は彼の作品です。

評論家ジョン・ボネが提唱するニュー・カリフォルニアの代表的生産者の一つとして、氏がチーフ・エディターを務めていた頃のサンフランシスコ・クロニクル誌からは【ワインメーカー・オブ・ジ・イヤー】も受賞(2014年)。

栽培だけでなく、醸造家としても最高峰の仕事をこなす、超一流のヴィニュロンです。

チェン家が自らのレーベル、カンパイ・ワインズの始動を決めた際、10年以上もメドウブルック・ファームズに携わっていたスティーヴ・マサイアソンを選んで打診したのはごく自然な流れと言えるのかもしれませんが、しかし既に彼の業界内ポジションは当初とは比べ物にならぬほどのステージにあり、タレント栽培家、醸造家の中でも最も多忙な人物の一人に挙げられていました。

いくら古巣とはいえ、叶わぬ願いか…と思われましたが、驚いたことに彼はこの申し出を快諾。

ここにカンパイ・プロジェクトは最強のパートナーを得るに至ります。

こうして始まったプロジェクトの第一弾としてリリースされたワインが、この 『ヒ・ノ・トリ・ロゼ』。

今後第二弾、第三弾のワインが出るものと思われますが、ヒノトリに関しては売り上げの80%がワイナリーから被災者へ贈られたそうです。

◎ヒ・ノ・トリ・ロゼ(Hi No Tori) 粘土質の土壌で育まれた畑からの、カベルネ・ソーヴィニヨン100%。

葡萄は直接圧搾機に運ばれ、房ごとプレス。

ステンレス・タンクで発酵。

復興をイメージしたラベルは、西洋で生まれ変わりのシンボルとして知られるフェニックスと、東洋では希望の象徴として扱われる千羽鶴を融合させたもの。

また、様々な名称に登場する和のファクターについては、台湾出身のチェン家、特に旦那様のダニエル氏(右画像左。

右側がエヴァ女史)が大の親日家であること、そして、カンパイ・ワインズのCEOとなった長男ピーターのフィアンセである、久保朱純さんにより持ち込まれたものが大きいようです。

◎試飲しました。

【2018.4】 あたかも澄んだ湖面を覗き込むような限りない透明感。

しかしそれでいて奥に深く高貴な味わいを湛えており、この滅多に巡り合えない味わいの(インパクトではなく構成の)衝撃に心打たれました。

私は試飲の際に極力事前の情報を遮断したく、本来はカベルネであることや価格も知らずに飲みたかったのですが、ともかく味わいの美しさに感激したあと誕生までのいきさつを聞き、その裏にあったであろう喧騒(やともすると薫煙)、さらには持ち回りというボトル・ショックの不利な試飲状況といったものを微塵も感じさせない静かな美しさに感激しました。

舌に感じるきめ細やかな味わいは極めて繊細だというのに、なぜかそれらに包まれた旨味には多彩さと重みを感じさせ、それはまさに和のしなやかさと、情熱を内に秘めたるかのような奥ゆかしさとを繊細な旨味で表現させた芸術。

ワインをアートと例える醸造家が少なくない理由を、肌で感じ取ることのできる作品でした。

●余談ですが、このロゼ、まだ業界内でも一部でしか試飲の機会を許されていないというのに、発売開始から二日間で初回輸入600本の半分が消えたとか。

飲んだバイヤーを片っ端から唸らせていっているようです。

【USD】 ■84本完売! 24本追加いたしました。

レビュー件数2
レビュー平均5.0
ショップ カリフォルニアワインのYANAGIYA
税込価格 3,542円